近年はカッター1本で切断できる手軽さから、個人による床リフォームがブームとなっています。しかし、フロアタイルのDIY失敗談として最も多いのは、「カット断面のズレによる隙間発生」と「専用接着剤のオープンタイム見極めミス」です。
壁際の巾木(はばき)周りでタイルの直線切りが狂うと、数ミリの隙間が目立ち、プロの手による仕上がりとは雲泥の差が生じます。また、塩ビタイル用の水性アクリル樹脂接着剤は、塗布後に一定時間空気に触れさせて粘着力を引き出す「オープンタイム(通常15〜30分程度)」が必要です。これを焦って貼り始めると、タイルがズレて接着不良を起こし、数ヶ月後に端部が反り上がる原因となります。
さらに注意が必要なのが、賃貸住宅におけるフロアタイルの原状回復問題です。「原状回復可能」と謳う吸着タイプや置くだけタイプのフロアタイルであっても、以下のトラブルが報告されています。
- 既存フローリングへの可塑剤(かそざい)移行:タイルの裏面素材が既存のワックスや木材塗膜と化学反応を起こし、退去時に剥がすと床が白化・ベタつくトラブル。
- 裏面への液体の浸透:タイルの隙間から入り込んだペットの尿や飲料が既存床に達し、下地フローリングを腐食・変色させて多額の修繕費用を請求されるケース。
- 両面テープの糊残り:マスキングテープ+両面テープ工法でも、長期間の重圧と室温変化によりテープが劣化し、剥がす際に下地を傷める事例。
賃貸物件で施工する場合は、敷き込み前に完全遮水シートを下敷きにするか、賃貸専用に開発された可塑剤フリーのクリック式(はめ込み式)置くだけ床材を選択することが賢明です。