敦賀駅の白銀口(西口)を出てアーケード街をわずかに進むと、レトロなフォントで書かれた看板と、食欲を刺激する特製ウスターソースの香ばしい匂いが漂ってきます。福井県民にとっての「カツ丼」とは、卵とじではなくソースに潜らせた薄切りカツを指しますが、その発祥の系譜を受け継ぐ敦賀ヨーロッパ軒(通称:敦パ)の中でも、駅前店はひときわ特殊な立ち位置にあります。
新幹線延伸以降、敦賀駅 グルメ 名物ランチを求める乗り継ぎ客やビジネス客が真っ先に目指すゲートウェイとなった結果、開店前から行列ができる現象が定着しました。取材班が現地で観察したところ、平日であっても11時30分を過ぎると満席となり、週末や連休期間には階段下や歩道まで列が伸びる光景が日常化しています。
極細のパン粉をまとわせてラードでカラッと揚げたカツを、酸味と甘み、秘伝のスパイスが効いた特製ソースにサッとくぐらせ、熱々のご飯へ豪快に載せる——。シンプル極まりない一杯でありながら、一口食べた瞬間に衣のクリスピー感と肉のジューシーさが口いっぱいに広がり、米一粒一粒に染みたタレが箸を止めさせません。この中毒性こそが、全国のリピーターを惹きつけてやまない最大の要因です。