腕の作画を安定させるためには、医療用の複雑な解剖図を丸暗記する必要はありません。イラストにおいて重要なのは、シルエットに影響を与える主要な筋肉の立体的な流れを把握することです。
腕は大きく分けて「肩(三角筋)」「上腕」「前腕」「手」のブロックで構成されています。上腕部では、力こぶを形成する上腕二頭筋と、その裏側にある上腕三頭筋が対になっています。腕を曲げると上腕二頭筋が収縮して盛り上がり、上腕三頭筋が引き伸ばされます。この伸縮の関係を意識するだけで、腕の側面に生き生きとした抑揚が生まれます。
また、肘関節の描き方では骨の出っ張り(ランドマーク)を意識することが決定打となります。肘を曲げた際には、尺骨の先端である「肘頭」が尖った突起として表面化します。ここを丸く描いてしまうと一気に締まりのないゴムのような腕に見えてしまうため、しっかりとした角(かど)を意識して描線を入れるのが基本です。