彼の朝は、まだ街が深く眠る深夜1時に始まる。内臓を浄化するナウリ(腹直筋を動かすヨガ技法)から始まり、全身の関節を開き、呼吸を極限まで深く整える作業に約4時間を投じる。そうして肉体と精神が完全に研ぎ澄まされた午前5時過ぎ、ようやく待ちに待った唯一の食事がスタートするのだ。
驚くべきはその食事にかけられる時間だ。時計の針が2時間を回る間、彼は一切のスマホ操作やテレビ鑑賞を断ち、目の前の一皿にすべての意識を集中させる。一口ごとに数十回から100回近く噛み、素材の持つほのかな甘みや苦味、水分が体内に染み渡る感覚をじっくりと確かめていく。消化器官への負担を極限まで減らし、栄養素を細胞の隅々まで行き渡らせるための知恵がここにある。