パティシエとして世界的に知られる辻口博啓氏をはじめ、トップシェフたちが和スイーツを手掛ける際にも、食感と香りの相乗効果は極めて重視される。NHK『きょうの料理』などの料理番組でも特集されるように、栗蒸し羊羹の完成度を別次元へ引き上げる隠し味として注目されているのが「本みりん」と「ラム酒」の隠し使いだ。
生地を混ぜ合わせる段階で本みりんを小さじ1杯加えると、蒸し上がりに上品なツヤと深みのあるコクが生まれる。さらに、栗の甘露煮をあらかじめ少量の高級ラム酒に一晩浸しておくと、一口食べた瞬間に華やかな香りが鼻に抜け、老舗和菓子店を凌駕する大人の贅沢な味わいへと変化する。こうした微細な工夫こそが、家庭の味をプロの領域へと昇華させる。