この美術館が誇るコレクションの根底には、既存の権威に対する強烈なアンチテーゼと熱量が流れている。その象徴が、夭折の画家・佐伯祐三の膨大な作品群だ。パリの裏街を削るような筆致で描き殴った佐伯の叫びは、100年の時を超えて今なお見る者の胸ぐらを掴んで離さない。
さらに見逃せないのが、1950年代に関西で産声を上げ、今や世界的な再評価の渦中にある前衛美術集団「具体美術協会(GUTAI)」のアーカイブだ。「人の真似をするな、今までにないものをつくれ」という吉原治良の苛烈なテーゼを体現した作品群は、2026年のデジタル全盛期において、物質と身体性が持つ圧倒的な強度をこれでもかと見せつけてくる。近代デザインから最先端のメディアアートに至るまで、収蔵品の振り幅そのものが、この街の雑食性を雄弁に物語っている。