NHKやABEMAの大相撲中継では、主に十両以上の関取による取組が華々しく放送される。幕下の取組は昼過ぎの静かな館内で行われることが多く、テレビ画面に映る時間は限られている。しかし、本物の相撲ファンや関係者は知っている。中継のカメラが回る何時間も前、まだ誰もいない稽古場で流される汗の重みを。
大相撲中継の解説席からも時折、長男の相撲技術の高さや基礎の確かさを絶賛する声が漏れ聞こえる。画面越しでは捉えきれない立ち合いの衝撃音や、まわしを引く指先に込められた執念。メディアのフレームの外側にこそ、彼の相撲人生の真髄が凝縮されている。