「かまきりりゅうじ」という一度聞いたら忘れられない名前。その出自を紐解くと、野原の草木や虫たちにペンネームを与えて詩を詠ませるという、当時としては破格に斬新な試みに行き着く。作者が道端で出会った一匹のオオカマキリが、威嚇のために両腕を構えた瞬間の眼差し。そこから、ただの虫ではなく、まるで路地裏で肩を怒らせて歩く少年のような輪郭が立ち現れたという。
驚くべきは、この詩が最初から完璧なリズムを持って吐き出された点だ。推敲を重ねて削ぎ落とされたのではなく、虫の体温に身体を同調させることで、あの独特の跳ねるような語り口が一気に結実した。かまきりりゅうじというキャラクターは、机上の思索からではなく、土埃の舞う草むらの息遣いから直接生まれたのである。