住宅展示場で見るシーサンドコートは、綿密に計算されたライティングと手入れの行き届いた環境によって、非の打ち所がない美しさを放っています。ところが、実際の生活空間に落とし込んだとき、施主が「こんなはずではなかった」と頭を抱えるケースには明確なパターンが存在します。
最大の誤算として挙げられるのが、日当たりの悪い北面や風通しの悪い狭小地におけるコケ・藻の繁殖です。シーサンドコートは表面に豊かな陰影を生み出すため、微細な凹凸が連続する構造をしています。このテクスチャーが湿気を滞留させやすく、隣家との隙間が狭い都市部の敷地や、川沿い・森林に近い多湿な環境では、築5年を待たずにうっすらとした緑色の変色に悩まされる施主の報告が寄せられています。
第二の誤算は、幹線道路沿いや排気ガスを受ける環境での黒ずみ(雨だれ)です。凹凸の隙間に巻き上がった微粒子や油分を含んだ塵埃が入り込み、降雨時に筋状の黒ずみとなって外壁に沈着します。「軽く水をかければ落ちると思っていたが、スポンジで擦っても骨材の隙間の汚れが掻き出せない」という声に代表されるように、一般的なサイディングのようなツルリとした防汚性を期待していた層ほど、清掃の難しさに直面して深い失望を味わっています。
第三の誤算は、モルタル下地特有のヘアークラック(微細なひび割れ)に対する精神的プレッシャーです。構造躯体の乾燥収縮や微細な振動により、幅0.3ミリ以下のクラックが入ること自体は構造上の即時倒壊を招くものではありません。しかし、数千万円を投資した新築住宅の外壁に亀裂が走る光景は、心理的な負担として施主を苦しめる要因になっています。