SNSや動画プラットフォームでは、すのこや木板を使ってポリタンクを覆う「おしゃれな目隠しカバー」のDIY動画が人気を博しています。しかし、安全工学や火災予防の専門家は、安易な灯油ポリタンク隠すDIYに対して強い警鐘を鳴らしています。
木製の密閉ボックスでタンクを完全に覆ってしまうと、万が一の微量漏洩時に内部へ可燃性ガスが滞留し、極めて危険な「可燃性混合気」を形成します。さらに、木材は一度灯油を吸着すると自然乾燥せず、長期間にわたって引火性を保持し続けるため、木製カバー自体が巨大な着火材と化してしまうのです。DIYで目隠しを行う場合は、必ず「四方に十分なスリット(通気孔)を設ける」「底板を貼らずに土間やコンクリート上に直接置く」「内部に不燃シートを貼る」などの安全工学的配慮が欠かせません。
もう一つの大きな誤解が「ポリタンクの色」に関する認識です。東日本では「赤色」、西日本では「青色」が主流として流通していますが、これは昭和40年代の普及期における各地域の顔料コストや商習慣の違いに過ぎず、JIS規格(JIS S 2037)に適合していれば色による安全性・耐久性の差はありません。現在は景観に馴染むカーキやダークグレー、サンドベージュの認定タンクも普及していますが、必ず「日本消防設備安全センター」の性能試験適合マーク(危険物確認マーク)が刻印されているかを確認し、灯油ポリタンク劣化防止性能を備えた正規品を選ぶ必要があります。