自転車の手信号に関して、最も誤解が多いのが「交差点を右折する際の手信号の出し方」です。
日本の道路交通法上、自転車はすべての交差点において「二段階右折」を行うことが義務付けられています(道路交通法第34条第3項)。自動車のように右折レーンへ進路変更して交差点の中央に寄り、斜めに右折することは禁止されています。
この二段階右折を行う際、「手信号はどう出すべきか」で多くの人が混乱しています。
- 誤った認識:「右に曲がるのだから、交差点の手前で右腕を水平に出して直進する」
- 正しい法規の運用:二段階右折の第1ステップは「道路の左端に沿って交差点を直進すること」です。したがって、交差点手前では右折の合図を出す必要はありません。むしろ交差点を直進する段階で右腕を真横に出すと、後続車は「中央の右折レーンへ寄ってくる」と誤認し、重大な追突・巻き込み事故を招く危険があります。
- 正しい手順:
- 交差点の向こう側まで直進する(合図なし、または停止準備の合図)。
- 進行方向を右(曲がりたい方向)へ向きを変える。
- 前方の信号が青になるのを確認して発進する。
つまり、通常の二段階右折においては、交差点進入時に右折手信号を出す場面は原則として存在しません。手信号が必要となるのは、「駐車車両を避けるために右側に進路変更するとき」や「左折レーンがある交差点で直進するために直進車線側へ進路変更するとき」、そして「左折するとき」です。この基本構造を誤認しているサイクリストが極めて多いため注意が必要です。