Q1:鉄欠乏性貧血の薬(市販の鉄剤)を飲めば治りますか?
A1:治りません。巨赤芽球性貧血は体内の鉄分不足が原因ではなく、DNA合成に必要なビタミンB12や葉酸が足りないことで起こります。体内に鉄が十分にある状態で不要な鉄剤を長期間摂取し続けると、かえって肝臓や心臓に鉄が沈着する「ヘモジデローシス(鉄沈着症)」を引き起こす危険性があります。貧血の種類を血液検査で特定することが先決です。
Q2:胃の手術を受けてから5年経ちますが、今まで何ともありませんでした。今から発症することはありますか?
A2:十分にあり得ます。むしろ胃切除後3〜5年目は、肝臓に蓄えられていたビタミンB12の貯蔵が完全に枯渇し、巨赤芽球性貧血が最も表面化しやすい時期です。術後数年間は無症状であっても、突然息切れや手足のしびれが現れるケースは臨床上非常に多いため、自覚症状がなくても定期的な血液検査とビタミン補給が欠かせません。
Q3:葉酸サプリメントを妊活中に飲んでいますが、過剰摂取で問題は起きますか?
A3:胎児の神経管閉鎖障害を予防するために適切な用量の葉酸摂取は推奨されていますが、万が一潜在的なビタミンB12欠乏症を抱えていた場合、過剰な葉酸摂取がビタミンB12欠乏による神経障害の兆候を覆い隠してしまうリスクがあります。妊娠期や偏食傾向にある場合は、葉酸だけでなくビタミンB12のバランスにも配慮し、不安がある場合は主治医に相談してください。