セルフケアで頭痛を軽減する第一歩は、現在起きている痛みがどのメカニズムによるものかを識別することです。頭痛外来の臨床現場において、慢性頭痛は主に「緊張型頭痛」「片頭痛(偏頭痛)」「群発頭痛」の3つに大別されます。これらは発生機序が根本的に異なるため、間違ったアプローチを施すと逆効果を招く事態になりかねません。
全頭痛患者の約7割を占めるとされる緊張型頭痛を和らげる方法の基本は、血流促進と筋緊張の緩和です。後頭部から首筋、肩にかけての筋肉が持続的に収縮し、末梢神経が圧迫されることで「頭全体がギューッと締め付けられるような重い痛み」が生じます。このタイプに対しては、後頭部や肩甲骨周りのツボをじんわりと押し、温熱療法を組み合わせることで高い即効性が期待できます。
一方で、頭の片側あるいは両側が「ズキンズキン」と脈打つように痛む片頭痛は、脳の血管拡張と三叉神経の炎症が引き起こす病態です。吐き気や光・音への過敏反応を伴うケースが多く、血管をさらに広げてしまうような強いマッサージや温熱刺激は症状を急激に増悪させます。片頭痛に対しては、手足の末梢にあるツボを刺激して中枢の自律神経反射を介した興奮鎮静を狙うか、痛む患部を冷やして安静を保つのが鉄則です。