同じ黄色い大玉・中玉柑橘でありながら、日向夏と文旦は全く異なる個性を持っています。この2つの違いを理解しておくと、春の味覚を何倍も深く楽しむことができます。
日向夏(宮崎県・高知県では「土佐小夏」、愛媛県では「ニューサマーオレンジ」)の最大の特徴は、「白い内果皮(アルベド)」にほんのりとした甘みがある点です。リンゴのように黄色い外皮だけを薄くナイフで剥き、白皮を残した状態でそぎ切りにして食べるのが鉄則。果肉のキリッとした酸味と白皮の甘みが口の中で合わさり、極上のマリアージュを生み出します。
対する土佐文旦は、厚い皮を剥いた瞬間に広がる上品でノーブルな芳香と、プリッとした大粒の果肉が魅力です。果汁でベタつくことがなく、一粒一粒がしっかり自己主張する独特の食感は文旦ならでは。追熟させることで酸味がまろやかになり、独特のほろ苦さとコクが際立ちます。