長年セキセイインコを飼育する愛鳥家たちの手記やコミュニティ、動物病院の診察現場からは、教科書的な飼育論だけでは見えてこない切実な教訓が浮かび上がります。
長寿を達成した飼い主の体験談で共通しているのは、「体重測定の完全な日常化」です。「毎朝ケージから出す際、0.1g単位で測れるキッチンスケールに乗せる習慣をつけていたおかげで、35gから33gへのわずか2gの減少に気づき、初期のそのう炎を重症化させずに治療できた」という証言は極めて示唆に富んでいます。体重の1〜2gの変動は、人間で言えば2〜4kgの急激な体重増減に匹敵します。
一方、後悔の声として圧倒的に多いのが「過剰な愛情表現による発情誘発」と「人間の食べ物の誤食」です。「可愛がるあまり手の中で背中を優しく撫で続けていたら、メスが年間で30個以上も産卵を繰り返し、最終的に卵管脱で若くして亡くなってしまった」「放鳥中に目を離した隙に、テーブルの上の観葉植物(ポトス)をかじって中毒を起こした」といった悲痛な反省録が散見されます。
小鳥を単なる「癒やしの対象」として擬人化し、構いすぎることは、野生の生体バランスを狂わせる結果に繋がりかねません。適度な心理的距離感を保ち、野生本来のバイオリズムを尊重した生活リズムを徹底することこそが、真の愛情であると言えます。