中目黒駅から山手通りを池尻大橋方面へ歩いて約6分。平日・休日を問わず店舗前に広がる長蛇の列こそが、中目黒のピザ名店として国内外に知れ渡る「Pizzeria e trattoria da ISA」の日常風景です。オープン以来、食通や著名人をはじめ多くの人々を虜にし続ける背景には、明確な職人技術の裏付けが存在します。
最大の原動力は、オーナーピッツァイオーロである山本尚徳(やまもと ひさのり)氏の経歴と技術力です。山本氏はナポリの名門ピッツェリア「イル ピッツァイオーロ デル プレジデンテ」で過酷な修行を重ね、2007年・2008年に開催された世界ナポリピッツァ選手権で2年連続優勝。さらに2009年には同大会の別部門でも最優秀賞に輝くなど、名実ともに山本尚徳氏はピッツァ世界チャンピオンの称号を不動のものとしました。
特筆すべきは、世界的な名声を得た現在も、山本氏自らが厨房中央の薪窯の前に立ち続け、1枚1枚生地の状態を見極めながら焼き上げている点です。季節や天候、湿度によって変化する発酵具合を指先で瞬時に判断し、約450度を超える高温の薪窯でわずか1分前後で一気に焼き上げる職人技。生地の外側(コルニチョーネ)は香ばしくサクッとした歯ざわりでありながら、内側は驚くほど軽やかでジューシーな水分量を保っています。この「何枚でも食べられる軽快さ」こそが、行列を生み出す最大の理由です。