アパートや賃貸マンションでエアコンが効かなくなった際、最もやってはいけない致命的なミスが「焦って自腹で民間の修理業者を手配してしまうこと」です。
民法606条第1項において、賃貸人は賃貸物の使用および収益に必要な修繕を行う義務を負うと明確に定められています。つまり、備え付けのエアコンはオーナー(大家)の所有物(付帯設備)であり、経年劣化による不調の修繕責任と費用負担は原則として貸主側にあります。知らずに借主が勝手に業者を呼んで修理してしまうと、かかった費用をオーナー側に請求しても支払いを拒絶されるリスクが極めて高いのが実情です。
トラブルを回避する賃貸エアコン故障時の連絡先と対応の鉄則は以下のステップを厳守することです。
- 賃貸借契約書の「設備表」を確認:エアコンが「残置物(前入居者が置いていったもの)」ではなく「付帯設備」であることを確認します。残置物の場合は自己負担での修理・交換となるケースがあります。
- 本体型番・製造年・エラーコードをメモ:エアコン本体下部のラベルに記載された「型番」「製造年」、室内機ランプの点滅パターンやリモコンに出ている「エラーコード」を正確に記録します。
- 管理会社または大家へ第一報を入れる:「いつから」「どのような症状が出ているか」「自身でフィルター掃除やリセットを試したか」を冷静に伝えます。提携している指定修理業者が手配されます。
もし真夏の猛暑期などで「管理会社とまったく連絡がつかない」「命に関わる暑さなのに1週間以上放置されている」という極限状態に限り、民法第608条に基づき自ら手配して費用を後日請求する権利(必要費償還請求)が認められる法改正がなされていますが、この場合も「連絡を試みた着信履歴やメールの送信記録」を証拠として残しておくことが不可欠です。
また、民間のサービスを利用する際は、エアコン修理業者の口コミ評判の精査が必須となります。ネット上の「最安5,000円〜」といった極端な格安広告で集客し、現場で「冷媒管が破裂している」「ガスが特殊」と不安を煽って10万円以上の不当な請求を突きつける悪質なマグネット広告業者・ぼったくり業者の被害相談が国民生活センター等へ毎年多数寄せられています。必ず「電気工事士の資格保有者が施工するか」「現地見積もり後のキャンセルが可能か」を事前に確認してください。