地元住民が最も懸念しているのが、「油木ダム取水制限の理由」と「油木ダム給水制限の可能性」です。過去の記録を振り返ると、福岡県は全国的にも有名な渇水頻発地帯であり、1978年(昭和53年)の福岡大渇水や1994年(平成6年)の列島列島渇水において、数十日におよぶ給水制限や時間断水を経験してきました。
油木ダム渇水過去データを検証すると、1994年や2007年(平成19年)の渇水期においても、貯水率が50%を下回った段階で関係自治体や農業利水者による「今川水系渇水調整協議会」が設置され、具体的な取水制限に向けた協議が加速しました。一般的にダムの渇水対策は以下のようなステップで段階的に進められます。
まず初期段階(警戒期)として、貯水率が50%前後に達した時点で関係機関への節水要請や、農業用水・工業用水の自主的な取水抑制(10〜20%程度)が求められます。次に、貯水率が40%を割り込むと「第1次取水制限」が発令され、水道用水に対しても5〜10%程度の取水制限がかけられます。この段階では配水池の運用調整や減圧給水が行われるため、高台の住宅を除き、一般家庭の蛇口から急に水が出なくなるケースは稀です。
しかし、貯水率が30%を切って「第2次〜第3次取水制限」へと発展した場合には、上水の大幅な減圧や、特定時間帯に給水を停止する「時間断水(給水制限)」が現実味を帯びてきます。現在の49.5%という数字は、「即座に断水する危険はないが、あと2〜3週間まとまった雨が降らなければ取水制限の第一段階に入る」という極めてシビアな分岐点に位置しています。