ウェブ上のQ&AサイトやSNSで最も多く見られる誤解の一つが、「SUMができるならCOUNTIFやSUMIFでも同じように串刺し集計ができるはずだ」という思い込みです。結論から述べると、エクセル串刺し集計COUNTIFはエクセルの仕様上、直接実行することはできません。
実際にセルへ「=COUNTIF('4月:3月'!B5:B20, "合格")」と入力しても、エクセルは無情にも「#VALUE!」エラーを返します。これはエクセルの設計思想によるもので、SUM、AVERAGE、MAX、MINなどの統計的・数学的集計関数は3D参照に対応しているものの、条件判定を伴うCOUNTIF、SUMIF、COUNTIFSなどの関数は「単一シート上の連続した2次元範囲」しか引数として受け付けない仕様になっているためです。
この制約を突破しようと、ネット上では複数シートまとめ集計INDIRECT関数を駆使したテクニックが紹介されるケースが目立ちます。各シート名をセルに書き出し、INDIRECT関数とSUMPRODUCT関数を組み合わせて条件付き合算を行うアプローチです。しかし、この手法は数式が極めて難解になり、シート名が1文字変わっただけで壊れるという高いメンテナンスリスクを抱えます。
実務における最も安全かつスマートな解決策は、「各シート側の決まったセル(例:Z1)にあらかじめ通常のCOUNTIF関数で小計を出しておき、集計シート側ではそのZ1セルをシンプルなSUM串刺しで集計する」という役割分担です。凝った裏技数式に頼るのではなく、シート構造そのものを標準化することこそが、長期的な運用コストを下げる最短ルートです。