タコを意味する「Octopus(8本足)」や、8人組・8重奏を意味する「Octet(オクテット)」、音楽の8度音程「Octave(オクターブ)」に見られるように、接頭辞の「octo / octa」は本来「8」を指します。それにもかかわらず、なぜ「第8の月」ではなく「10月」がOctoberと呼ばれるのでしょうか。
インターネット上や一般の雑学では「ユリウス・カエサル(Julius Caesar)や初代皇帝アウグストゥス(Augustus)が自分の名前(JulyとAugust)を年の途中に無理やり割り込ませたため、後ろの月が2つズレた」という説が広く流布しています。しかし、これは歴史学的に明確な誤解です。
歴史言語学および天文学の記録を紐解くと、October 語源 8 理由の真相は古代ローマ暦の構造そのものにあります。紀元前8世紀頃に使われていた初期の「ロムルス暦」では、農業が始動し軍事行動が解禁される春分(現在の3月=Martius)が「年の始まり(第1月)」でした。当時、農作業が行われない真冬の約60日間には月の名前すら割り当てられていませんでした。
当時の順序を数えると、以下の通り完全に一致します。
- 第1月:Martius(現在の3月)
- 第7月:September(ラテン語の7「septem」が由来)
- 第8月:October(ラテン語の8「octo」が由来)
- 第9月:November(ラテン語の9「novem」が由来)
- 第10月:December(ラテン語の10「decem」が由来)
その後の「ヌマ暦」への改定時に、冬の空白期間に「Januarius(1月)」と「Februarius(2月)」が創設され、さらに紀元前153年に執政官の就任日変更に伴って1月が年初へと繰り上げられました。この改革により、既存の月名がすべて2か月ずつ後ろへシフトし、8番目の名前を持ったOctoberが10番目の月に定着したというのが歴史的事実です。