番組における志村けんさんとパンくんの関係は、単なるタレントと動物タレントの枠を完全に超越していました。志村さんは生前、インタビューや著書などでパンくんへの想いを繰り返し語っています。
「カメラが回っていないところでも、あいつは俺の目をじっと見て気持ちを読み取ろうとする。人間以上に心が通じ合っている瞬間があるんだ」
志村さんは阿蘇を訪れるたびに、宮沢厚トレーナー立ち会いのもとでパンくんと時間を過ごしました。パンくんが志村さんの足にしがみつき、服の中に顔を埋めて甘える姿は、演技や仕込みでは決して生み出せない絶対的な信頼関係の証でした。2012年の引退事故後、世間から厳しい批判が寄せられた際にも、志村さんは決してパンくんを責めず、園に赴いてガラス越しに温かい声をかけ続けたといいます。
志村さんが旅立った際、阿蘇カドリー・ドミニオンの関係者によると、パンくんがその訃報を言葉として理解することはできなくとも、園内を包む沈痛な空気や宮沢トレーナーのただならぬ様子を察し、しばらくの間ひどく落ち着かない素振りを見せていたと伝えられています。