1990年代初頭の原宿。裏原と呼ばれた狭い路地から、世界を席巻する巨大な波が生まれた。その震源地こそがA BATHING APE(BAPE)だった。アイコニックなカモフラージュ柄やエイプヘッドは、単なる服の枠組みを超え、熱狂的なコミュニティを形成する合言葉となった。
限定生産、ゲリラ的なリリース、ショップ前の長蛇の列。現在では当たり前となったドロップ型ビジネスモデルの原点はここにある。東京のストリートで生まれた熱気は、瞬く間に海を渡り、ニューヨークやロンドンのアーティストたちを直撃した。極東の小さなカルチャーが欧米のユースシーンを侵食していくという、前代未聞の逆輸入現象の幕開けだった。