観光情報誌には大々的に載らないものの、京都の生活美学が色濃く息づく京都カフェ穴場を探すなら、注目すべきは「西陣」と「洛北」の2大エリアです。
伝統的な機織りの音が路地に響く西陣エリアには、昭和初期の銭湯を改装したサロンや、糸問屋の巨大な木造建築を活かした自家焙煎所が点在しています。この地域は主要駅から少し離れているため団体観光客が少なく、格子越しに差し込む柔らかな光の中で、店主が一杯ずつ丁寧に抽出した深煎り珈琲を味わう贅沢が残されています。
さらに北上した紫野や上賀茂神社周辺の洛北エリアでは、借景を活かした日本庭園を眺めながら静かに煎茶や珈琲を楽しめる隠れ家が根付いています。観光地化の波から一歩退いたこれらの場所には、地元住民が朝の散歩がてらに新聞を広げるような、京都本来のゆったりとした日常のリズムが確かに息づいています。