ネット上で「まるで別人」とまで評されるようになった決定的な背景には、単なる自己流の化粧を超えたプロフェッショナルによる技術指導が存在します。
その最大の契機となったのが、2016年8月に発表された資生堂とのスポンサー契約です。過酷な寒冷地や強い紫外線に晒されるスキージャンプ競技において、日焼け止めブランド「アネッサ」などのサポートを受けると同時に、資生堂の専任ヘアメイクアップアーティストから直接、個々の骨格や顔立ちに合わせたパーソナルメイクのレッスンを受けました。
特に劇的な進化を遂げたのが高梨沙羅のアイメイク方法です。もともと奥二重で切れ長だった目元に対し、以下のテクニックを緻密に組み合わせています。
- ダブルラインとリキッドアイライナー:目尻を跳ね上げ、目の横幅と縦幅を強調するキャットアイラインの採用。
- 立体的なまつ毛エクステンション:根元からしっかりと立ち上げるまつエクにより、まぶたの皮膚が自然に押し上げられてくっきりとした二重幅を形成。
- ノーズシャドウとハイライトのコントゥアリング:眉頭から鼻筋にかけて繊細なシェーディングを施し、欧米人のような高い鼻梁を演出。
公式会見や手記の中で高梨選手は、「メイクをすることで気持ちが引き締まり、戦うモードに切り替えられる」と語っています。彼女にとってメイクは外見を着飾るだけでなく、過酷な勝負の世界で戦うための「勝負服(戦闘服)」としての役割を果たしているのです。