左胸に刻まれるポニーロゴの由来には、創業者ラルフ・ローレンの鋭敏なブランディング戦略が宿っています。ポロマークロゴ意味経緯を掘り下げると、彼が単なるスポーツのシンボルを求めたのではなく、「アメリカ人が抱く最上級の憧れ」を記号化しようとした意図が明白になります。
ラルフ・ローレンはかつて当時のテレビ特番インタビューで、次のような言葉を残しています。
「私は単に服をデザインしているのではない。そこに広がる世界観、つまり生き方の夢をデザインしているのだ」
ニューヨーク・ブロンクス地区の労働者階級の家庭に育った彼にとって、英国貴族やアメリカ北東部のアッパーイーストサイドに住む富裕層が興じる「馬上の球技=ポロ」は、洗練、伝統、国際性、そして気品あるエレガンスの極致でした。野球やバスケットボールといった大衆スポーツではなく、格式高い伝統競技をブランドアイコンに選定することで、着る者に対して「古き良きアングロサクソンのエリート層が持つ上流階級の空気感」を無意識に想起させたのです。
このポニー刺繍が初めて衣服に登場したのは1971年、カリフォルニア州ビバリーヒルズにオープンした初の独立路面店で発表されたウィメンズシャツのカフス(袖口)部分でした。翌1972年、全24色の鮮やかな半袖コットンピケ(鹿の子編み)シャツを発表した際、胸元にこのポニーが配置され、現代に至る「ポロシャツ」の世界的スタンダードが確立されました。