インターネット上のコミュニティやSNSでは、「卵の段階から親水槽と同じ水質に合わせなければショック死する」という誤解が散見されます。しかし、生物学的に見て卵膜の内部は完全に外界から遮断された独立した保護環境にあり、卵の段階における水質ショック(pHや硬度の急変)は基本的に存在しません。神経質に水合わせを行うよりも、新鮮な水道水で毎日雑菌を洗い流す衛生管理を徹底する方が孵化率は圧倒的に向上します。
また、卵がいつ孵化するのかを正確に予測するには「積算温度250℃(度日)の法則」を用います。積算温度とは「日々の平均水温 × 経過日数」の合計値です。
- 水温25℃で管理した場合:250 ÷ 25 = 約10日で孵化
- 水温28℃で管理した場合:250 ÷ 28 = 約9日で孵化
- 水温20℃で管理した場合:250 ÷ 20 = 約12〜13日で孵化
注意すべきは、水温が18℃未満の低温環境が続くと発育が著しく遅延し、卵の中で成長が止まって死滅する確率が高まる点です。反対に水温が30℃を超えるような直射日光下の過熱容器では、酸欠と水質悪化で奇形やへ死を招きます。直射日光を避けた風通しの良い明るい日陰、または屋内24℃〜26℃の安定した環境で管理することが、予定通りの安全な孵化を引き出す必須条件です。