旅の満足度を左右する食と温泉において、長野県は国内屈指のポテンシャルを誇る。まず検証すべきは信州そば名店評判の深層だ。県内各地にそば処が存在するが、その流派は明確に異なる。
日本三大そばの一つに数えられる「戸隠そば」は、標高1,200m前後の冷涼な気候と霧が育んだそば粉を用い、一本の麺棒で丸く薄く延ばしていく伝統技法が特徴だ。水を切らずに小分けにして盛る「ぼっち盛り」と、辛味大根の絞り汁に焼き味噌を溶かした伝統のつゆでいただくスタイルは格別である。地元そば組合関係者によると、「戸隠の老舗では新そばが出回る晩秋だけでなく、夏場でも低温熟成させた玄そばを石臼で自家製粉しており、一年を通じて高い香りとコシを保っている」という。一方、松本や安曇野周辺では喉越しの良い二八そばが主流であり、木曽地方の開田高原では標高の高さが生み出す甘みの強い十割そばが食通を唸らせている。人気店はいずれも「そばがなくなり次第営業終了(13時〜14時頃)」となるケースが多いため、昼前の到着が必須条件だ。
さらに信州名物グルメ詳細まとめとして押さえておきたいのが、地域固有の郷土料理である。小麦粉やそば粉の皮で季節の野菜や野沢菜、あんこを包んで蒸し焼きにした「おやき」は、北信の蒸しタイプと中信の焼きタイプで食感が大きく異なる。また、南信・伊那地方の「ローメン」や松本発祥の「山賊焼き(鶏もも肉をニンニク醤油に漬け込み片栗粉で豪快に揚げたもの)」、長野県水産試験場が10年の歳月をかけて開発したブランド魚「信州サーモン」の刺身など、土地の風土に根差した美味は枚挙にいとまがない。
散策で疲れた体を癒やす長野日帰り温泉おすすめ処も見逃せない。県内には200箇所以上の温泉地が点在するが、日帰り入浴の充実度で特筆すべきは野沢温泉と別所温泉、そして白骨温泉だ。野沢温泉では村内に13箇所ある「外湯(共同浴場)」を地元住民の湯仲間が大切に管理しており、寸志(協力金)を納めて源泉かけ流しの熱湯を堪能できる。白骨温泉(松本市安曇)では、炭酸カルシウムを豊富に含んだミルク色の硫黄泉が湧き出ており、「3日入れば3年風邪をひかない」と称される名湯の底力を体感できる。