外見上は似たように見える両施設ですが、内部の規律や生活環境、自由度には歴然とした差があります。実際に身柄を拘束された当事者の手記や元法務教官の証言から見えてくる現場のリアルを紐解きます。
留置所での生活規則は警察官(留置管理課員)の目が行き届く範囲で厳しく統制されます。部屋は一般的に4〜6人程度の「雑居房」または1人用の「独居房」に分かれますが、間取りは畳敷きで、部屋の一角に仕切り付きのトイレが設置されている構造が主流です。私物の持ち込み制限が厳格で、起床から消灯(通常21時)まで厳格な日課に従って生活します。食料や寝具は無償貸与されるため被収容者側の部屋代・食費等の費用負担は発生しません。
一方、拘置所における未決勾留者の処遇は、無罪の可能性を残した被告人であることから、刑務所のような過度な規律訓練は行われません。拘置所の部屋は罪証隠滅を防ぐ観点から単独室(独居房)が基本となり、施設内の売店を通じてお菓子や雑誌、日用品を自費で購入(自弁購入)する選択肢の幅が留置所よりも広がります。ただし、運動時間(1日数十分程度)や入浴回数(週2〜3回程度)の制限は厳格であり、外部との接触が遮断された閉鎖空間特有の精神的ストレスは避けられません。