そうめんの盛り付けにおいて最も重視すべきは、「清涼感」「立体感」「食べやすさ」の3要素です。家庭でありがちな「深皿に氷水を入れて麺を泳がせる」方法は、時間が経つにつれて麺が水分を吸ってコシが失われ、つゆが薄まる原因になります。料亭や専門店では、しっかりと水切りを行ったうえで、視覚的に冷たさを感じさせる工夫を施します。
特に「揖保乃糸」などの手延べそうめんは、職人が丹精込めて引き延ばした均一な麺線が最大の美点です。この直線の美しさを活かすため、プロは麺の流れを一方向に揃えたり、一口分ずつ整えて空間の余白を意識した器選びを行います。器に対して麺を7割程度に抑え、余白を残すことで、料理全体の格調が一気に高まります。