福浦橋を訪れた際、本土側の橋のたもとに設置された記念プレートに目を留める人は少なくありません。そこには、日本と台湾の固い絆を示す歴史が刻まれています。2011年3月11日に発生した東日本大震災において、松島湾にも押し寄せた津波により、福浦橋は橋脚の一部が損壊し、通行不能となる甚大な被害を受けました。
景勝地・松島のシンボルが傷ついたこの未曾有の危機に、いち早く救いの手を差し伸べたのが台湾でした。台湾を代表する景勝地「日月潭(にちげつたん)」の観光関係者や台湾市民から、総額1,000万円を超える義援金が松島町へと届けられたのです。この迅速な支援によって橋の修復工事は急ピッチで進められ、震災からわずか数カ月後の2011年6月末には通行が再開されました。
この歴史的事実から、福浦橋は単なる観光橋にとどまらず、「台湾と福浦橋 友好の架け橋」としての国際的な意義を帯びるようになりました。プレートには「日本台湾友情の架け橋」と明記されており、震災から十数年が経過した現在も、台湾からの旅行者が感謝の想いを込めてこの地を訪れ、手を合わせる光景が日常的に見られます。人と人との縁を結ぶ「出会い橋」という伝説は、国境を越えた温かな支援の記憶によって、より一層深みのあるリアリティを獲得したと言えます。