内調の名が一般市民に強烈なインパクトを与えた契機の一つが、社会現象となった映画『新聞記者』だ。NetflixやAmazonプライム・ビデオなどのストリーミング配信でもロングランヒットを記録した本作は、官邸主導の情報操作や世論誘導の暗部に鋭くメスを入れた傑作ポリティカル・サスペンスとして今なお語り継がれている。劇中で描かれた、薄暗い部屋で端末を叩き、世論を分断させるSNS工作や不都合な事実の隠蔽工作は、単なるフィクションなのか。
関係者への取材によれば、映画のような露骨なサイバー工作そのものは誇張が含まれるものの、政権維持のために特定メディアへ情報をリークし、世論の潮目をコントロールする「情報戦」の冷徹な空気感は極めてリアルに近いという。国家機密という厚い壁の向こう側で何が起きているのか。権力とメディアの緊張関係を暴く調査報道の重要性を、この作品は白日の下に晒した。