おかっぱ頭は強力な武器である反面、諸刃の剣でもある。一度世間に強烈なインパクトを残したがゆえに、ブームが去ったあとの露出の落差に苦しむケースも少なくない。
その典型でありながら見事なサバイバルを果たしたのが、ひょっこりはんだ。「はい、ひょっこりはん」のフレーズとともにおかっぱ頭に黒縁メガネ、タンクトップ姿で一世を風靡した彼は、一時期の民放露出ラッシュが落ち着いた後、活動の主軸を大きくシフトさせた。絵本の執筆や子ども向けイベント、舞台公演、さらにはSNSでのショート動画へと活路を開拓。テレビの露出激減と騒がれながらも、ファミリー層をターゲットにした独自の経済圏を確立し、現在も精力的な活動を継続している。
対照的に、メディア露出を右肩上がりに伸ばし「国民的おばさん」としての地位を固めたのが、阿佐ヶ谷姉妹の渡辺江里子だ。ピンクのドレスにおかっぱ頭というレトロなビジュアルは、当初のコント設定を超え、癒やしと安心感の象徴となった。バラエティ番組での安定した活躍はもちろん、ドラマ出演やエッセイのヒットなど、文化人的な立ち位置さえ獲得している。消費されるキャラクターで終わるか、時代に愛されるアイコンへと進化できるか。その明暗を分けたのは、人間味という奥行きの有無だった。