カバオくんのボケを見渡すと、彼が「とんでもない悪党」や「救いようのないクズ人間」として描かれているケースが非常に多いことに気づきます。ファンの間では「カバオの闇」として親しまれているこの現象には、パロディ文化特有の心理的メカニズムが働いています。
アンパンマンの世界は、極めてクリーンで道徳的な善意によって成り立っています。しかし、人間誰しもが持つ「毒」や「利己的な本音」を、あの丸みを帯びた無邪気なキャラクターに背負わせることで、強烈な脱力感と背徳感が生まれます。
「町内会の寄付金をすべて競馬に突っ込んだ」「ばいきんまんにアンパンマンの弱点情報を売り飛ばして生計を立てている」といった、児童向けアニメでは絶対にあり得ないブラックな設定を付与されたカバオくんは、もはや一つの完成されたコメディモンスターと言えます。ピュアな原作があるからこそ、その対極にある「闇」の面白さが際立つのです。