この詩が日本中で誰もが知るフレーズとなった最大のきっかけは、ACジャパンCM「こだまでしょうか」の放送だった。2011年3月の東日本大震災直後、自粛ムードの中で連日放映されたあの映像と詩の朗読は、不安と途方に暮れていた人々の心に深く沁み渡った。
公益社団法人ACジャパンが制作したこの作品は、広告・クリエイティブ産業の枠組みを超えた文化的インパクトをもたらした。殺伐とした状況下で「こだまでしょうか、いいえ、誰でも」と語りかける声は、他者の痛みに耳を澄ますことの大切さを人々に想起させた。CMというメディアが持つ伝播力と、詩が持つ普遍的な精神性が見事に融合した瞬間として、日本の広告史に刻まれている。