甲府市街地から車を少し走らせると、畑の中に忽然と現れるモダンな醸造所、ドメーヌ・Q(Domaine Q)に行き当たる。ここは「日本で最も早く収穫される新酒」の造り手として全国のワインファンに知られている。
超早期収穫のデラウェアを用いたフレッシュな微発泡ワインは、夏の終わりを告げる風物詩だ。しかし、このワイナリーの真の挑戦は、栽培難易度が極めて高いピノ・ノワールを甲府の砂利質土壌で根付かせた点にある。試飲カウンター越しに醸造責任者が語る「土壌の限界をどこまで超えられるか」という言葉には、小規模生産者ならではの妥協なき反骨精神が宿る。