科学者がバラエティ番組に出演することに対して、当時のアカデミアからは冷ややかな視線も向けられた。学者としての威厳を損なうという批判だ。しかし、彼はその孤立を恐れなかった。科学界が象牙の塔に閉じこもり、世間に溢れる偽科学や悪徳商法を放置することこそが、社会に対する無責任だと信じていたからだ。
オカルト批判をエンターテインメントの表舞台に引っ張り出した功績は大きい。専門用語を並べるのではなく、誰もが理解できる言葉と圧倒的な情熱で「疑問を持ち、裏付けを取る」という科学の基本姿勢を提示した。テレビという巨大なメディアの影響力を熟知した上で、泥をかぶりながら科学の啓蒙活動を続けた姿は、現代のサイエンスコミュニケーションの先駆けと言える。