地下3階から地上2階まで広がる壮大な空間には、古代壁画から現代絵画に至る西洋美術史のハイライトが網羅されています。その中でも、必ず訪れるべき象徴的なスポットを紹介します。
最も有名な空間が、地下3階に位置するシスティーナ・ホールです。バチカン宮殿のシスティーナ礼拝堂を原寸大の立体空間ごと再現(環境展示)しており、ミケランジェロが描いた天井画『天地創造』や正面の『最後の審判』が頭上を覆い尽くします。2018年のNHK紅白歌合戦において、徳島県出身のアーティスト米津玄師さんが大ヒット曲『Lemon』を圧巻のパフォーマンスで歌唱した舞台としても全国的な話題となり、現在も多くのファンが訪れる聖地となっています。
続いて必見なのが、レオナルド・ダ・ヴィンチの傑作『最後の晩餐』の展示です。ここでは、経年劣化と加筆によって傷んでいた「修復前」の姿と、1999年に完了した大規模修復作業によって本来の鮮やかな色彩が蘇った「修復後」の姿が、部屋の両側に向かい合わせで展示されています。ミラノのサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ修道院では決して実現し得ない、歴史の対比を同時に見比べる展示手法は同館ならではの醍醐味です。
屋外の自然光を取り入れた地下2階のモネの大睡蓮も見逃せません。フランス・パリのオランジュリー美術館にある楕円形の展示室を模し、水盤に本物の睡蓮が浮かぶオープンスペースの周囲を、巨大な連作陶板画が囲みます。四季折々の風と自然の光を受けながら名画を鑑賞するひとときは、屋内の展示室とは一線を画す穏やかな感動をもたらしてくれます。