リタッチカラー(通称「根元染め」)とは、前回のカラーリングから時間が経過し、新しく生えてきた自毛(バージン毛)の部分だけを既存の髪色に合わせてピンポイントで染め上げる技術を指します。人間の髪は平均して1ヶ月におよそ1cmから1.2cm伸びるため、およそ1ヶ月半から2ヶ月も経つと、生え際と既染部分のコントラストがいわゆる「プリン状態」として目立ち始めます。
一方のフルカラーは、根元から毛先まで髪全体に薬剤を塗布して均一に色味やトーンをコントロールする施術です。両者の決定的な差異は、髪のダメージ軽減理由の根幹である「すでに染まっている部分(既染部)へ再びアルカリ剤や過酸化水素を作用させるかどうか」という点にあります。
髪の毛は一度傷むと自己修復できない「減点方式」の組織です。フルカラーを毎月繰り返すと、毛先のキューティクルが剥離し、コルテックス内部の間充物質が流出してパサつきや枝毛が急増します。リタッチを基本ルーティンに組み込み、毛先の薬剤接触回数を最小限にとどめることこそが、艶やかなロングヘアや滑らかな手触りをキープする最大の防壁となります。