大阪と奈良の県境にそびえる葛城山。その山麓に位置する葛城酒造は、明治期から続く歴史ある蔵元だ。酒造りの命とも言える仕込み水には、この山々が長年かけて蓄えた豊かな地下伏流水が用いられる。やや硬度を持つこの水が、力強く芯の通った酒質を支える極めて重要な要素となっている。
蔵の規模は決して大きくない。だが、その「小ささ」こそが質の高さを保つ最大の武器だ。杜氏(とうじ)と蔵人たちが洗米から麹(こうじ)造り、発酵管理に至るすべての行程に目を光らせる。効率化や自動化の波が押し寄せる現代において、あえて手間のかかる手法にこだわり続ける姿勢は、醸造家としての揺るぎないプライドの表れだ。