五観の偈は、唐代の中国から日本へと伝えられ、道元禅師らによって日本の禅宗寺院に定着した短い漢文の偈文(げもん)です。まずは、実際の修行現場で読まれている全文と、ふりがな・読み方を確認してみましょう。
【五観の偈 全文(漢文・書き下し文)】
一、計功多少 量彼来処(ひとつには こうのたしょうをはかり かのらいしょをはかる)
二、忖己徳行 全缺応供(ふたつには おのれのとくぎょうの ぜんけっとをおうぐするをはかる)
三、防心離過 貪等為宗(みつには こころをふせぎとがをはなるることは とんとうをしゅうとす)
四、正思良薬 為療形枯(よつには まさにりょうやくとおもい ぎょうこをりょうぜんがためなり)
五、為成道業 応受此食(いつつには どうぎょうをじょうぜんがために いまこのじきをうく)
道場や宿坊における五観の偈の唱え方は、姿勢を正し、胸の前で静かに合掌(がっしょう)して、一音一音を落ち着いた低めの声で発声するのが基本作法です。声に出すことが難しい環境では、心の中で唱えるだけでも十分にその効果を得られます。