アルゴリズムが怒りを増幅させている。X(旧Twitter)やYouTubeのショート動画を開けば、「途上国に数兆円供与」「国内を捨てて外国に媚び売る」といった刺激的なテロップが躍る。数万件の「いいね」を集める投稿の多くは、外交発表の表面的な数値だけを切り取ったものだ。
長年にわたる政治・外交報道が、ODAの複雑な仕組みや拠出形態を分かりやすく説明してこなかったツケがここに来て回っている。数十兆円もの「数字」が独り歩きし、生活苦に喘ぐ国民感情と衝突する。怒りの矛先は一過性のトレンドではなく、政権の存立を脅かす巨大なマグマへ成長した。