おみくじの歴史を語るうえで欠かせないのが、平安時代の天台宗の僧侶・元三大師(良源)だ。彼が編纂したとされる「元三大師百籤」は、現代の日本全国の神社や寺院で授与されているおみくじのルーツとなっている。
元三大師百籤には、中国の漢詩をベースにした言葉が刻まれており、そこから神仏の意志を読み解く技法が確立された。神仏分離の歴史を経て、神社本庁傘下の多くの神社や寺院へとこの伝統は受け継がれ、漢詩や和歌を添えて個人の運命を占う独特のスタイルが形成された。待ち人という言葉もまた、こうした宗教的・文学的背景の中で洗練されてきた歴史的遺産なのである。