2000年代初頭、食品・飲料業界の常識を覆す空前のムーブメントが九州から巻き起こった。方言の「きっと勝つと」と名前が似ていることから、受験生同士が励まし合いのしるしとして手渡す現象が自然発生的に広まったのだ。
この草の根の動向を察知し、マーケティングの歴史に残る一大施策へと育て上げたのが、当時ネスレ日本株式会社の経営を率いた高岡浩三氏である。同氏の指揮のもとで展開された受験生応援キャンペーンは、単なる菓子を「想いを届けるお守り」へと昇華させ、日本の製菓産業におけるプロモーションのあり方を根本から変えた。箱の裏面に手書きメッセージを寄せた経験を持つ人も多いはずだ。