ネット上の簡易検索では「バスでも簡単に行ける」「歩いても30分程度」といった安易な記述が散見されますが、金沢特有の地理条件とインフラ構造を照らし合わせると、そこには見過ごせない実態が存在します。
第一の誤解は「北鉄バスの利便性」です。金沢駅東口(兼六園口)バスターミナルからは多数の北陸鉄道バス(北鉄バス)が出発していますが、東金沢駅の駅前交通広場に直接乗り入れる系統は本数が絞られています。多くは手前の「鳴和」や「小坂」といった幹線道路沿いのバス停を経由する形になり、そこから東金沢駅までは徒歩5〜8分程度の移動を強いられます。加えて、北鉄バスでは独自のICカード「ICa(アイカ)」が基本決済インフラとして長く機能しており、一般のSuica・ICOCAによる運賃支払いは路線や車両装備によって制限やタッチ決済実証段階の違いが存在します。「Suicaさえあればバスも乗れる」と思い込んでいると、降車時に現金精算で慌てる結果になりかねません。
第二の誤解は「徒歩移動の気軽さ」です。営業キロ2.6kmという数値だけを見れば、都市部での徒歩移動に慣れている層なら「歩けなくはない」と判断しがちです。しかし、北陸地方には「弁当忘れても傘忘れるな」という言葉がある通り、急な降雨や強い霙(みぞれ)、冬場の凍結路面が日常茶飯事です。線路沿いの側道は一部歩道幅が狭く、大型トラックの抜け道になっている区間も存在するため、キャリーケースを引いての歩行は体感的に数字以上のストレスを伴います。
タクシーに関しては、金沢駅の乗り場(東口・西口双方)に待機車両が潤沢に配置されており、約10分・1,300円前後で東金沢駅西口・東口の目的地ピンポイントへ直行できるため、非常に計算しやすい選択肢です。ただし逆ルート、つまり「東金沢駅から金沢駅へ戻る」場合は、駅前にタクシーが常駐していない時間帯が多いため、配車アプリ(GO等)の事前手配が必須となります。