虚飾の人生を生きていたイェレナにとって、ジーク・イェーガーとの出会いはまさに「神」との邂逅でした。ジークが掲げる極秘の野望、すなわち始祖の巨人の力を用いて全てのユミルの民から生殖能力を奪い、エルディア人を穏やかに滅亡へと導く「エルディア人安楽死計画」に彼女は深く心酔します。
島内の兵団上層部をジークの脊髄液入りワインで無力化し、実権を掌握していく冷徹な手腕は鮮やかであり、同時に背筋が凍るほど非情でした。信奉するジークの計画が成就することこそが、世界を数千年にわたる巨人の呪縛から解放する「神業」であり、自分はその奇跡を目撃する選ばれし使徒であると信じて疑わなかったのです。
しかし、ジークの真の目的は異母弟であるエレン・イェーガーの裏切りによって脆くも崩れ去ります。エレンが発動したのは全人類の抹殺を企図した「地鳴らし」であり、イェレナが思い描いていた崇高な救済神話は最悪の形で瓦解することになりました。