役者としてのキャリアを重ねるごとに、彼女の発声アプローチは進化を遂げてきた。連続テレビ小説「あんぱん」で見せるヒロインの成長物語において、声のトーンやセリフの抑揚は物語の感情線を支える極めて重要な要素として機能している。
セリフを語ることと、歌を歌うこと。この二つは彼女の中で地続きの表現として昇華されているのだろう。声に乗せる熱量と、静寂を生かす引き算の美学。息の使い方ひとつで観客の心を揺さぶる演技力は、そのままボーカリストとしての表現力へと直結する。言葉にメロディが乗った瞬間、彼女は演者から一人のストーリーテラーへと変貌を遂げるのだ。