制度を検討する多くの方が最初に直面する疑問が、障害年金と生活保護の併給ができるのかという点です。結論から述べると、制度上これらは明確に併給が認められています。ただし「年金と保護費を満額ずつ二重取りできる」わけではありません。
生活保護は、国の定める「最低生活費」に対して世帯の収入が不足している場合に、その不足分を補う仕組みです。したがって、受給している障害基礎年金や障害厚生年金はすべて「収入」として認定されます。例えば、最低生活費が月額15万円と算出された単身世帯で、障害年金を月額約7万円(2級相当)受給している場合、差額の8万円が生活保護費として支給されます。
この計算において極めて心強い味方となるのが、生活保護受給者の医療扶助です。国民健康保険から脱退し、福祉事務所から発行される医療券によって受診するため、通院費、検査費、入院費、調剤費などの自己負担が原則ゼロになります。精神科やリハビリへの定期通院、継続的な服薬が必要な障害当事者にとって、医療費の心配が完全に解消される点は計り知れないセーフティネットと言えます。
生活保護の障害者受給額2026年最新の目安をみると、東京23区などの都市部(1級地-1)で一人暮らしをする場合、生活扶助(生活費)約8万円、住宅扶助(家賃上限)約5万3,700円に加え、後述する障害者加算が上乗せされるため、総支給水準は月額15万円〜16万円台半ばに達します。地方都市(3級地など)では家賃相場に合わせて12万〜13万円台程度に調整されますが、どの地域であっても最低限の生活水準が法的に維持される仕組みです。