二人の物語が動き出したのは2008年のことでした。きっかけは、柄本佑の弟である俳優・柄本時生が出演していた映画の舞台挨拶のため、あきた十文字映画祭へ向かう秋田新幹線の車内でした。時生から「兄貴、紹介するよ。サクラちゃんだよ」と引き合わされた瞬間、柄本佑の心に雷のような直感が走ったといいます。
当時の特番インタビューで柄本佑は、安藤サクラのハスキーで柔らかい声を聞いた瞬間、「あ、俺、この人と結婚するな」と強く確信したと振り返っています。顔立ちや容姿よりも先に、発せられた声の質感と漂う空気感に魂を揺さぶられたという極めて直感的な体験でした。
その後、映画の現場などを通じて再会を果たした二人は、柄本佑からの猛アプローチによって交際へと発展します。当時を振り返る関係者の証言によると、安藤サクラの飾らない奔放さと、誰に対しても分け隔てなく接するピュアな姿勢に、柄本佑は急速に惹きつけられていきました。安藤側もまた、柄本佑の映画に対する真摯な熱量と、他者の価値観を一切否定しない懐の深さに安心感を抱いたと明かしています。
約3年の交際期間を経て、二人は2012年3月14日に婚姻届を提出しました。柄本佑が25歳、安藤サクラが26歳という、役者として脂が乗り始める若さでの決断でした。「互いに俳優として一生成長し合える唯一無二のパートナー」という揺るぎない確信が、二人の背中を押した決定打となったのです。