「オールナイトニッポン」の長い歴史において、若手芸人が深夜の全国ネットで己の言葉だけで勝負する舞台を整える作業は、単なる台本作りにとどまらない。「オードリーのオールナイトニッポン」がスタートした初期、若林正恭と春日俊彰が持つ独特の空気感と歪な人間関係の面白さを見抜き、それを毎週2時間の生放送というフォーマットに落とし込んだ影の立役者こそ、彼だった。
彼が実践してきた「ヒットの法則」は驚くほどシンプルで、かつ残忍なほど本質的だ。それは「話し手に無理なキャラクターを演じさせず、本人の癖や人間性の歪みを面白がり、リスナーとの共有体験として構造化すること」。決まったコーナーをただ消化させるのではなく、演者のリアルな日常の脱線事故をエンターテインメントへと昇華させる。東京ドーム公演で数万人を狂喜させた巨大イベントの原点も、元を正せばスタジオの小さなマイクに向かって語りかけられた、泥臭く緻密な構成の積み重ねにあった。