山下容莉枝の真骨頂とも言えるのが、サスペンスドラマや刑事ドラマで見せる深みのある演技です。「火曜サスペンス劇場」「土曜ワイド劇場」をはじめとする2時間ドラマ枠では、悲劇のヒロイン、秘密を抱える看護師、被害者の母、そして巧妙な動機を秘めた犯人役まで、多彩な役どころを演じ分けてきました。
テレビ朝日系のメガヒットシリーズ『相棒』にも複数回にわたり異なる役柄でゲスト出演。複雑な過去に縛られた女性の心理的葛藤や、一見穏やかに見えながら奥底に狂気を秘めたキャラクターを繊細かつ凄みを持って演じ、視聴者やドラマファンの間で「山下容莉枝が出ているだけでドラマに深みが出る」「不穏な空気を作らせたら右に出る者はいない」と大きな話題を呼びました。
彼女の演技は過剰な叫びや大仰な身振りではなく、「視線のわずかな揺らぎ」や「沈黙の間」によって感情を伝達します。この抑制された表現力こそが、日本のミステリー作品の緊張感を支えてきた原動力です。